浮世絵・神奈川名所めぐり展を平塚市美術館で観る

平塚市美術館で「リアルのゆくえ」展を観終えた後、別室で展示中の「斎藤文夫コレクション 浮世絵・神奈川名所めぐり」展へと回る。タイトルに謳われる斉藤文男氏は川崎の浮世絵コレクターで、昨年閉館した個人美術館の川崎・砂子の里資料館で浮世絵コレクションの展示を行っていた方だ。

そんなワケで神奈川に偏った浮世絵の展示ということで、これが見ていてご当地感覚を刺激されまくって非常に楽しい。国芳の描く「東海道五拾三駅五宿名所 大磯、小田原、箱根、三島、沼津」には「ういろう」の文字が入るし、広重の「東海道五十三次細見図会 小田原 箱根へ四里八丁」には、江戸時代の案内書の意である「細見」の名に恥じず「ういろう、いかの塩から、うめ干し」の文字が入っている。

また藤沢宿には江ノ島神社の一の鳥居があるは、アンコウやフグが名物だは、多摩川の調布付近には鮎を食わせる店がある(旧友Mによると今でもあるらしい)は、で見ていて「ほほう」とうなるばかり。また川崎の六郷の渡しの絵では、船に乗る前にキセルの火を落とす旅人が描かれ、どうやら船内禁煙だったらしいと知れる(木造船だから火気厳禁だったのだろうか?)し、広重の「不二三十六景 相模大山来迎谷」では大山からヤビツ峠に向かう途中の渓谷からの富士が描かれていて魅力的だった。

さらに最終章では「江戸のおもかげ」と題して明治以降の浮世絵が展示されていたのだが、ここでも私の好きな川瀬巴水や、存在を知らなかったのだが彼の弟子である石渡江逸の近代浮世絵が展示されていて、これも非常に楽しめた。

地元感覚があり、さらに川瀬巴水が嫌いでなければ十分行く価値がある展示であった。それと同時に、これらの浮世絵を展示してくれていた砂子の里資料館に、もっと通っておくべきだったと後悔せずにはいられない私であった。

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リアルのゆくえ展を平塚市美術館で観る

旧友Mと落ち合うために足を運んだのは、平塚市美術館の「リアルのゆくえ-高橋由一、岸田劉生、そして現代につなぐもの」展を観るためだった。日本洋画の始まりを高橋由一の「鮭」に置いて、その後の流れを追った今回の展示は実に意欲的だった。

幕末に西洋画を知ることで「発見」された「写実 リアル 」は、日本ならではの「写実」がある、という立場と、万国共通の「写実」の下で日本を描くという立場がぶつかる様子を第一部で見せる。そして明治中期に入ると(多分に日清日露戦争を背景に)国粋主義が台頭し、洋画は苦境に陥って題材や表現に和風を導入していく様子が、孔子を洋画で描く中村不析の「道」や黒漆板に描かれた櫻井忠剛の作品などを通して第二部で確認できた。

そして第三部では大正期に入っての岸田劉生と草土社による「写実」が、第四部では昭和の「写実」が展示される。第三部と第四部では近代美術の主流となったモダニズムに背を向けた、異端としての「写実」が展示され、それ故か異様に迫力のある絵画が、河野通勢大澤鉦一郎などいくつも見られた。

こうした歴史を踏まえて、ポストモダニズムと合流したスーパーリアリズムの下で描かれる第五部の現代の「写実」に至るのだが、こちらになると現代美術の文脈になってしまって、正直今一つ伝えたいものが見えづらくなる。以前、ホキ美術館で現代写実を観た際には「現代写実というのはフォトショップで弄った写真と同じで、自分の見たいものに加工した写実だ」と腑に落ちた(腑に落とさせた?)のだが、今回の展示ではそんな安易な感想を拒否してきたため、少々難しくなっていた。

そんなワケで、Mに付き合わなければ観ることもなかったろう展示だったが、なかなかに楽しめる展覧会で、こんな機会を与えてくれたMには深く感謝したのだった。

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平塚〜早雲山〜小田原ドライブ

旧友Mが平塚市美術館から早雲山を回り、小田原の我が家へドライブがてら顔を出すというので、どうせならと平塚で合流して、彼のロードスターに乗せてもらうことにした。ロードスターは以前レンタカーで乗った86に比べるとシートが低過ぎないため、乗る時に苦労するほどではなく、それでいてスポーツカーの低さも感じられ、(お年寄りにも優しい(笑))中庸ならでは乗りやすさがあるように思えた。

Mによれば、シートが今一つでなのだが、上のクラスでないとレカロのオプションがなく、泣く泣く現状のシートにしたのだという。確かにレカロに比べると体の保持は甘く、助手席ならともかく運転席では不満が出るのだろう。助手席であっても、幌を閉めている場合はアシストグリップがないためしっかりと体を支えてくれるいいシートが欲しくなる。もっともオープンカー状態であれば窓を全開してドアを掴んでいればいいので全然OKなのだけれども。

それにしても、暑くなりきる前のオープンカーでのドライブは実に楽しかった。箱根への上りでも下りでも、いつもならいらつくようなサンデードライバーの危うい運転に巻き込まれたが、オープンカーならではの開放感で「ああ、こんな人、いるよね」という広い気持ちで生温く見守ることができた。

楽しいドライブに誘ってくれたMには感謝するばかりである。助手席におっさんを乗せてのドライブを、Mが楽しむことができたのかは、また別の話であるワケだが。

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武蔵新城のまるきでカキとお造りに舌鼓

友人Hが地元の武蔵新城で見つけた、良さげなお店、まるきに招待してもらった。

武蔵新城にしては瀟洒な感じなお店で、確かに少々敷き居が高い。武蔵新城にしては安くはないけれども、それ以上にお高く見えるので、店構えで少々損している感はなきにしもあらずか。

いただいたのはお造り(大間の生ウニ、沖縄の本マグロ、青森のヒラメの昆布締め、千葉のアオリイカと太刀魚の炙り刺し、平塚のヒラマサ)、水ナスの浅漬け、白エビと桜エビのかき揚げ、カキの実山椒煮、タカベの塩焼きをいただく。

お造りは、特に本マグロの赤身がエッジが立っていて素晴らしく、太刀魚も旨みが増す炙り具合でなかなかのもの。かき揚げも白エビは身のプリプリ感が楽しく、桜エビは逆にキチン質のパリパリ感が美味しく、二つを食べ比べることで何倍も美味しくいただけた。そして煮カキが見事で、うま味が濃厚に閉じ込められたカキに山椒の実の香りと苦味が本当にマッチしていて素晴らしかった。

日本酒や焼酎も整っていて美味しかったのだが、吟醸に振り過ぎており、手ごろで美味しくいただける本醸造などは置いていないのは残念だった。そういうところも含めて、敷き居が高めのお店であるけれど、十分に値段に合う味であったことは間違いなかった。友人Hにとって、仕事の帰りに寄ることができる美味しい店が見つけられたことはなんとも幸せなことであると思いながら、お店を後にしたのだった。

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DAZNの一昔前の画質でジロ観戦

先に書いたように、放映元がJスポからDAZNに移った今年のジロ・デ・イタリアをどうやって観戦するか検討したけれど、悲しいかなウチのひかりTVチューナーのDAZN対応はジロの放送開始には間に合わなかった。

仕方がないので、次善の策としてPS3での視聴を考えていたのだが、例によってAmazon fire TV stickで「ぶらり路上プロレス」を見ようとしたところで、これがDAZNに対応していることに気づいた。であれば、ジロを観戦するのに1か月の無料視聴をするだけならこちらで見るのがいいのではないか。無線LANでの再生となる点は、転送速度的にやや心配が残るものの、「ぶらり路上プロレス」を見る限りでは十分な転送速度があるようだし、ネットで情報を得た分にはそもそもDAZNのサーバーからの転送速度が全然出ていないので、その部分を気にする必要はなさそうであった。

ということで、早速Amazon fire TV stickにDAZNのアプリをインストールする。DAZNのアプリ評に不安を抱きつつも、今度はiPadでDAZNのサイトにアクセスし、会員登録をしてジロの観戦に臨むこととした。

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Amazonマーケットプレイスの詐欺騒動

昨日書いたヨーグルトメーカーだが、Amazonで確認してみたところ「【緊急警報】Amazonで世界規模の大中華詐欺が勃発中!! 被害者にならないために | More Access! More Fun!」にあったようにマーケットプレイスの詐欺物件がぞろぞろと並んでいた。しかも前日見た物件の多くが消えていたことから、Amazon側でも対応はしているようである。しかし、消しても消しても新たな業者が湧いて出るようで、絵に描いたようなイタチごっこが演じられているようだ。

最安価格の546円は明らかにめちゃくちゃなお値段である。どのくらいめちゃくちゃかというとこんな感じ。

この価格推移グラフを見ると4月16日からこの騒ぎが始まっているのがわかる。そうである以上、トラブルを避けるためにはAmazon出品か、少なくともAmazonが発送するプラム商品(でかつ出品元が日本になっているもの)を選ぶべきだろう。下の場合は3番目と5番目がそれに当たる。

ちなみに最安値のお店は、出品元が日本で評価も高いが、これは休眠していた出品者のアカウントを乗っ取ったものと思われる。その証拠に出品者の情報を見てみると、ここ一年の評価が全く存在しない。

冒頭で掲げた記事にあったように、かつて運営していて、いま休眠状態のアカウントが乗っ取られた物なのだろう。

それにしても、IT時代になって便利になったと思っていたら、こんな騒動が起こるようになるとは思ってもいなかった。上にかいたようなことをいちいちチェックするのが面倒な人は、差し当たってはAmazon以外の通販サイトを利用することをお勧めする次第だ。

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一般的にはお得なヨーグルトメーカーだが私には微妙?

数日前、安いヨーグルトメーカーをポチった。Amazon直だと1800円するけれど、Amazonマーケットプレイスだと800円や1000円で購入できる。昨今Amazonマーケットプレイスでは詐欺が横行しているけれども、この価格では詐欺をするメリットもないし、少なくとも今確認した限りではどれも出品元が日本になっているので、せいぜい汚れた箱で届くくらいで済みそうだ最近では日本の出荷元でも危険なようです。【緊急警報】Amazonで世界規模の大中華詐欺が勃発中!! 被害者にならないために | More Access! More Fun!

もちろんこのお値段のヨーグルトメーカーではタイマーや細かい温度調節もできないけれど、操作は寝る前にセットして起きたら電源コードを抜くだけだから、いっそ楽なくらいである。

それにしてもなぜわざわざヨーグルトメーカーなどを購入したかと言えば、ひとつには花粉症にいいと聞いたからであり、もうひとつは自家製の低糖質アイスを作りたいからである。

近場でヨーグルトを買うと400gで126円である。それに対して100円の200gのドリンクヨーグルトで1ℓで150円の牛乳2本をヨーグルト化できる。つまり、2.2ℓが400円であるから、400gのヨーグルトが80円ほどで入手できる計算である。これなら1000円そこそこのヨーグルトメーカーを買っても元は取れるだろうと思ったのだ(価格は税抜きです)。

単価を下げたいのであれば、種となるヨーグルトをドリンクタイプではなく固形タイプにすればいいのだが、そうすると殺菌の手間が増えてしまう。ドリンクタイプなら紙パックの牛乳にヨーグルトを注いでヨーグルトメーカーにセットするだけで済むので、この辺りは手間を買うことになる。この辺りは「ヨーグルトの作り方!簡単で失敗なく安全に作れる方法! | あなたの知らないヨーグルトの世界」「市販のヨーグルトで種菌にできる種類!成功するのはコレ! | あなたの知らないヨーグルトの世界」を参考に、とにかく「楽な方法」を選んでみた。自分の自堕落さを知る身としては、とにかく楽でないと続かないことが明白だからだ。

ということで、ヨーグルト作りを始めたのだが、実は一番心配しているのは、あればあるだけ食べてしまう自分の性癖である。400gのヨーグルトもそのまま味つけもせずに丸ごと食べることを思うと、1ℓのヨーグルトも1日でペロリと喰ってしまいそうである。一応我慢して2日はかかるようにしているのだけれど、これだと400gのヨーグルトを毎日買って食べていても大差ない気がするだけれども……。

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コミカル増し増しファンタジー抑え目だった『Wood Job!』

『WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』をAmazonビデオ-プライム・ビデオで観る。

大学受験に失敗した高校生が成り行きで林業に挑むことになるが、失敗を繰り返しながらも次第にお山に馴染んでいくお話だが、以前読んだ原作の『神去なあなあ日常』をうまく映像化していると感じられた。

もちろん、原作の持つ山の神々しさ、山に棲む神様の気配などはあまりうまく処理できてはいなかったが、林業が大変であり、それでいてその中での営みやその楽しさは十分に表されていたと思う。先に原作を読んでいるので私の軍配は原作に上がるけれども、それでも主人公の研修受け入れ先のきこり役の伊藤英明が実に適役で魅力的だったし、ヒロイン役の長澤まさみも原作よりふわっとしているが可愛く、僅差であると思う。

ただ、クライマックスの奇祭については映画も頑張ってはいるものの、諏訪大社の御柱祭をモデルにした原作の描写の圧勝だったと言っていいだろう。とはいえAmazonプライム会員なら追加料金なしで観られるのだから非常にお得で、一旦プライムに入ってもプライム落ちする作品も少なくないので、今のうちに観ておかないと損だと思うのだった。

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ぶらり路上プロレスで爆笑して連敗の憂さを晴らす

ここ数日、イーグルスの連続サヨナラ負けの心痛を癒すべく、Amazonプライムビデオをまさぐって漁っていたところ「ぶらり路上プロレス」を見つけた。タイトルは時々見かけていたのだが、まさかAmazonプライムオリジナルの番組であるとはこの時まで知らなかったのだ。

この番組、文科系プロレス団体を名乗るDDTのレスラーをキャスティングした街歩き番組……と見せかけて突然始まる路上プロレスを魅せる番組だ。路上プロレスというのは、その名の通り、路上、公園、室内とあらゆるところでプロレスするという無茶な興行(?)で、20年ほど前に出来たばかりのDDTが、鶴見青果市場で興行していて、青果市場を出て駐車場から道路を渡ってジャスコ敷地内でプロレスを(無理やり)持ち込んだのが始まりだったと思う。

そんなDDT伝統の路上プロレスで飯伏幸太のトンチキなスカイハイな技や、男色ディーノの恐怖の男色殺法を、ネット配信の大画面のテレビで堪能できるのだから堪らない。彼らが神田明神で、アメ横で、箱根で、暴れまくる、迫力と爆笑の番組が月2回、30分×2楽しめるのだからAmazonプライムの契約していて良かったと思わざるを得ない。

お下品なネタが苦手でなければ、そしてヨシヒコ戦が苦にならないのであれば、Amazonプライムに入っているか、30日間のAmazonプライムの無料視聴期間を試してご覧になることを強くオススメする次第である。

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井上ひさしと大泉洋のテイストがマッチした『駆込み女と駆出し男』

『駆込み女と駆出し男』をAmazonプライム・ビデオで観た。劇場公開時から気になっていたのだが、Amazonプライムに来てくれたので、プライム会員なら追加料金なしで観ることができたのだ。

江戸時代末期、入山して数えで3年、24か月の間俗世との縁を経てば離縁が成立するという、鎌倉の縁切り寺・東慶寺に駆け込む女たちの模様を、東慶寺の門前にある御用宿・柏屋を主な舞台として描いていく。

冒頭で数組の駆け込み女が出てくるのと、鳥居耀蔵 が暗躍する天保の改革が裏の仕掛けになっているため、特に冒頭20分くらいは非常にわかりづらい。しかしメインの二人のヒロインの背景と、駆け込み寺を成立させるための御用宿の様子が掴めてくると俄然面白くなってくる。

ヒロインたちに翻弄される、大泉洋演ずる蘭学にも戯作者にも成り切れていない主人公が、押しの弱い『幕末太陽傳』の佐平次という感じで、その翻弄されっぷりが実に楽しい。それでいて吉原から殴り込んできた(橋本じゅん演ずる)置き屋の主人を口八丁で追い返す所はスカッとさせられる。その揚げ句、最後にはヒロインに尻を叩かれてモラトリアムを脱するところまでを、コミカルに演じていて好演であった。原作の井上ひさしのコミカルな描写が彼に合っていたのだろうし、そこはキャスティングの妙であったと言えよう。

灰汁の薄めの樹木希林も良かったし、住持役の陽月華は初めて見たけれど元宝塚の男役だったらしく凛々しくてカッコよい。満島ひかりは達者だったし、戸田恵梨香は大きな黒目が可愛くて良かった。入り口が少々取っつきにくい以外は、よくできた娯楽作だったと思う。

興味深かったのが東慶寺と御用宿・柏屋の関係で、駆け込み即入山ではなく、一旦御用宿預かりとなり、ここで身元調べと実家への連絡が送られ、さらに夫へ使者が行き、これでも離縁状が出なければ、いよいよ駆け込み女は入山することになる(東慶寺の寺法手続き – Wikipedia)。入山するには冥加金が必要で、上臈衆格は15両、御茶の間格は8両、御半下格は4両で、その他月々の扶持料が要る(出入三年満二十四ヶ月の縁切奉公)ということなので、離縁してもらうのはなかなか大変である。もっともそれだけのお金が用意できない階層の女性であれば、割り合い男から逃げ出すことも可能だったのかもしれない。

物語の背景がわかると話が俄然面白く感じられるので、初見より2回目の方が楽しめる作品かもしれない。Amazonプライム会員になっていて良かったと思えた作品の一つだった。

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