小説家になろうを読む50 『自由(邪)神官、異世界でニワカに布教する』

小説家になろうを読む50 『自由(邪)神官、異世界でニワカに布教する』

気がつくと、なろう小説を取り上げるのはほぼ1年ぶりとなる。その間なろう小説を読んでいなかったワケではないし、紹介するに足る作品がなかったワケでもないのだが、タイミングが悪かった、ということなのだろう。

今回楽しませてもらったのは『自由(邪)神官、異世界でニワカに布教する』という作品だ。各種の神さまの加護が存在するVRMMORPGの世界で、善でも悪でもない中立の「自由神」の戦司教として善にも悪にも加担するトリックスター的プレイを遊んでいた主人公が、そのゲームの世界へと転移して、ここでもいろいろと悪巧みをしていくお話だ。トリックスターらしく、人は簡単に死ぬし、ゴブリンを教化したりもするし、テーブルトークのような一風変わったプレイをするので読んでいてなかなかに楽しめる。逆にストレートに緑6の巨大モンスターを暴れさせたいような向きには楽しめない作品だろう。

1年前に書籍化もされているようだが、その後音沙汰がないようなのでさほど売れなかったものと思われる。確かに万人向けとは言い難いので、編集者は面白いと思ったけれども売れなかった、というタイプの作品になるのだろう。いまさらながら私も楽しませてもらったので、お布施代わりにポチっておくことにした次第だ。