電子ペーパー端末として画竜点睛を欠くS9

電子ペーパー端末として画竜点睛を欠くS9

液晶画面については凡庸なオーソドックスなAndroidスマートフォンであるHisense A2TことS9だが、もちろんその真価は裏面のE-ink、電子ペーパー画面にある。通常は時計やメールなどの通知アイコンのヴィジェットが表示されているこちらの画面だが、ある操作を行うことで液晶画面の表示をそのまま電子ペーパー画面に表示することができる。

それを行うのが画面下のメニューバーに並ぶボタンのうち、一番右側にある四角いボタンだ。

通常、Androidではメニューバーに□○△の三つのボタンが並ぶ。それぞれ「マルチタスク」「ホーム」「戻る」ボタンなワケだが、S9ではこのほかにふたつのボタンがある。左端の下向きの「>」は「メニューバーを隠す」ボタンで、これを使って隠したメニューバーは画面外からのスワイプアップで再表示される。そして右端のボタンが液晶画面と電子ペーパー画面を切り替えるためのボタンなのだ。

このボタンをタップすると、さらに「電子ペーパー画面への切り替え」と「現在の画面を電子ペーパー画面に登録する」の二つのボタンがポップアップする。後者は、例えば乗り換え案内や目的地の地図などを電子ペーパー画面に表示しっ放しにしておいて、目的地に着くまでは液晶画面でふつうにスマホを楽しんでおく、などという使い方ができるのだが、差し当たっては前者である。

こちらを選ぶと現在使っている作業を、そのまま電子ペーパー画面で継続することができる。このボタンをタップすると、S9を引っくり返すよう指示されるので、それに従ってS9を裏返す。

すると液晶画面の表示が消えて、電子ペーパー画面で作業を継続することができるようになる。

電子ペーパー画面から液晶画面に戻る時も(ほぼ)同じで、やはり右端のボタンを選んで液晶画面への移行を選択すればいい。液晶画面からの順方向の移行とは異なり、「電子ペーパー画面をヴィジェット表示画面に戻す」や「電子ペーパー画面の設定」などというボタンが増えているけれども、実作業としては同じである。

これによって、BookLive!などのAmazon以外の電子書籍やなろう小説などをスマホ上のE-inkディスプレイで読むことができるようになった。メモリが3GBあるおかげで、512kBしかないBOOX C67MLcarta2と違って動作も軽快でかなり読み易い。もちろん電子ペーパーなのでスクロールには弱く、ページを捲った際に画面がチラついたりするものの、それは始めから折り込み済みなのでまったく問題ではない。

そんなワケでほぼ私の思い描いていた電子ペーパー端末としてうまく付き合っていけそう……と思ったのだが、ひとつ、大きな問題が判明した。それは、

電子ペーパー画面にバックライトがない!

ということだ。

おかげで夜、電灯を消して 布団の中でごろごろしながら電子書籍やなろう小説を読むということができない。それどころか、ちょっと暗めのところでも文字を読み取ることが難しいくらいだ。

設計思想としては、明るいところでは液晶画面が見辛いから電子ペーパー画面を使い、暗いところでは液晶画面を使えばいい、ということなのだろう。それは理解できる。理解できるが、電子ペーパーの目に優しい表示が好きで初代 Kindleからいろいろと電子ペーパー端末を利用してきた私としては残念としか言いようがない

ひょっとして私が設定を見落としているだけかもしれないので、これから各種設定画面をいろいろと探して回るつもりなのだが、本当に残念である。バックライトさえあれば、85点はあげていい電子ペーパー端末なのに……。