片付けられない私が片付けたくなる部屋を作れるのか?

片付けられない私が片付けたくなる部屋を作れるのか?

昨年暮れから小田原での生活に役立つものがないかと、フラフラと台所や整理用品、掃除の記事の間を彷徨っているうちに、『片付けたくなる部屋づくり -古い2Kをすっきり心地よく住みこなす「片付けのプロ」の暮らしテクニック65-』(本多さおり)という本に出会った。この本の面白いのは、キレイな家を作るのではなく、暮らし易い家を作るということ拘っていることだ。

Kataduke3それが端的に表れているのが右のワードローブの項の扉の言葉。

“買う”瞬間が幸せのピークになっていることが多いのですが、本来ならば”着ているとき”が一番幸せであるべきではないでしょうか。”

なんとも正論であり、ワードローブに限らず、多くのものがコレに当たってしまう。カメラもバイクもデジタルガジェットも調理用具も「使っている時が一番幸せなもの」だけを買えばそれでいいのだが、ついつい「新しい幸せ」を求めて無駄遣いをして、狭い部屋をさらに狭くしてしまう。物が減れば、それだけ整理も楽になるのだから、入りの段階で調節するのが一番大事なのだ。

ダイエットでも、「××を食べるだけで痩せる」などという記事に踊らせられがちだが、結局は入れるカロリーと出るカロリーの差が腹の肉となるわけで、入るを諮らねば贅肉は落ちはしない。部屋の贅肉も同じことである。

Kataduke2 Kataduke1そうして贅肉を(ある程度)落とした家で、著者は見栄えよりも暮らし易さを優先した家を構築していく。その為に、たとえば下着はほかの服とは別に、脱衣所近くの洗濯機のところに置く。そうすれば、洗濯物を取り込んだ際にすぐに仕舞えるし、使う時=入浴時にここから新しい下着を取り出して、汚れた下着は洗い物籠に放り込めばいい。確かに下着はほかの服と一緒に置いておくほうが分類的にはキレイだけれど、動線を考えれば著者のやり方のほうが正しい。同様に、カギは家を出る時にしか使わないのだからと扉の裏にぶら下げたり、物の用に合った場所に「片付ける」という思想が明確なのが素晴しい。

そしてそれは生活し続ける限り、常に変化し続けるもので、完成というものはないのだと語る。これも潔くて悪くない。

そんな彼女の考え方とやり方に惚れて、2冊目の『片付けたくなる部屋づくり 2 -暮らしを愛する整理収納コンサルタントの衣・食・住65の習慣』も購入した。こちらは1の実践編という感じで、アイテムなどの紹介が細かく行なわれていて参考になったが、レビューにある通り上から目線も確かに気になった。この後も著者はいろいろと本を出しているようだが、レビューを見る限り、ファンにはよくてもその他の読者からは高評価を得られていないようだ。

基本、「考え方」しか売りがないので、何冊もの本を出せるほどの在庫はないのだろう。1巻にもちょっとあったけれど、他の家のBefore→Afterの実例を、間取りや家族構成を各種取り揃えてどんどん載せるほうが多分いい本になるのではないだろうか。そうすれば、読む人の参考にもなりやすいだろうし。

とはいえ、2冊分のお金以上に参考になった本だったことは確かなので、収納に悩んでいる人には十分読む価値がある(少なくとも1冊目は)本だと思う。そしてもちろん、私は場所を取らないようにKindleで購入したのだった。